あけましておめでとうございます。
ASTERODEIAで2013年一発目のステージをぶっ放し、幸先の良いスタートを切ることが出来ました。
そして東京に戻ってすぐに2年ぶりとなる渋谷Asiaでの新年会ライヴ。
再会や新しい出会いの多かった慌しい年始。その合間にレコーディングに向けてのリハーサル。
こうやってやりたいことをやれるというのは本当に有り難いものです。多くの人の手によって創られていく場所というのは何にも代え難い大切なもの。
今年も衝動と感動と情熱を届けるべく精力的に活動して参ります。どうぞ宜しくお願いします。
新年なので!というわけでは無いんですが、色々と考えていることを綴ってみようと思います。
ライヴを観に行くというのは音を聴くのはもちろんですが、瞬間のウネリや圧倒的な音の塊が意識をすっ飛ばして感性に届き、熱やゆらぎによって生み出される圧倒的な異空間に飛び込めるのが好きだからなのです。だから良い音楽に出会うとライヴに行きたくなるんです。
ただ、出会う順番もあって、全く知らずとも凄く良いライヴに出会うことも多々あります。こうゆうのってなんだか得したような気持ちになるんですよ。
海外のガイドブックを熟読してると旅行に行きたいって気持ちが強まって行くからこそ得れるものも沢山あるし、目的もはっきりしてるので完全にアウトプットする体勢を作れたりもします。それがガイドブックを読まず、その国の予備知識が無かったとして、その国を訪れた場合、予想していなかった衝撃だったり興奮を得ると得した気分になるような。
ここで大事なのはどちらも「体感する」ということなんです。
震災から2年弱。
福島に残ると決めた人たちは「なぜ避難しないのか?」「未来を、これからの子供たちのことを考えてるのか?」と言われ、傷ついてきました。
でも、これって純粋なまでの正義感からくる愛に溢れる発言なんですよね。本当に心配してるんです。なんとか助けてあげたいって気持ちに溢れてるからこその発言なんですよね。
その想いが届くからこそ、何も言えず心を閉ざしてしまうこともあるんです。
福島第一原子力発電所は未だに放射能を出し続けています。
多くの作業員の方が必死に闘っています。
闘い続けるためには衣食住が必要だし、ライフラインも必要になります。
設備に不備が出たときには修理が必要です。体調に異変があったときには直ぐに診てもらえる環境も必要です。家族や仲間と連絡を取ったり、リアルな現状を伝えるためには携帯が必要だったり。
休みの日にはお酒を飲みたかったり、ドライヴしたかったり、音楽を聴きたかったり、旅行したかったり。
そのためには飲み屋や、ガソリンスタンドや、旅行代理店やライヴハウスが必要。
飲み屋さんはお酒や食材を仕入れなければいけないし、ガソリンや灯油を運ばなければいけないし、バスの運転手が必要だし音を出すバンドやDJも必要なんです。
ここまででも多くの人が携わっているというのは想像に難しくないです。
それでも今すぐに避難しない人間は、無知なだけ?無関心なだけ?
頑張っている人の傍で支え合って行きたいと想う優しさには蓋をしなければいけない?
休みの日は全員県外で遊ばなければいけない?過酷な環境で命を張って闘っている人も県外から作業に向かわなければいけない?未来のためならどんなに苦しくとも我慢しなければいけない?それが正義?
「子供を守るため」
それは本当に同感です。
じゃあ車の排気ガスは?煙草は?お酒は?インスタント食品は?カフェインは?電磁波は?アスファルトは?
ここまでゴチャゴチャになった世の中で子供を守るためには考えなければいけないことが山のようにあって、恐らくどの角度から誰が見ても完璧というのは不可能に近いと想うんです。
声をあげることはとても大事です。よりよい未来を創るためにも必要なことだと思います。
もう一つ大事なのは、戦争の最前線で戦っている人に必要なものは、包帯だったり食料だったりちょっとした娯楽だったり希望だったりで、現場/現地を体感することの無い遠くにある作戦本部や司令室で宛がうものが、例え理論上/倫理上正しいとしても、それが全ての人が求めているものではないという現実。
311のあの日、多くの人が恐怖を体感し、色々な闇を知り、世の中を変えなければ!という湧き上がる想いを体感したと想います。
だからこそ、揚げ足の取り合いや理想の押し付け合いや反対意見を拒絶するよりも、双方の意見を聞き、視野を広げ、新しい可能性を拡げることが大切。
エネルギーを使わずに今よりも快適に生きることを知れば、自ずと原発は無くなる方向に向かう。
ちょっと話はずれるかもですが、100円ショップで物が買えるのは人件費の安い中国等で大量生産しているお陰なわけで、大量生産するためには莫大なエネルギーが必要で、莫大なエネルギーが欲しいが為に原発を求めたり尖閣諸島を狙ったり。
だからと言って100円ショップ廃絶デモとかするのではなく、誰もが憧れて真似したくなるような新しい生き方/価値観を提示することが世の中を変えると想うんです。
福島に残ると決めた多くの人、一緒に闘おうとしている多くの人が、より良き未来を獲得するために様々なアイディアを出し合い行動に起こしています。
ゆっくりゆっくりですが、福島は生まれ変わろうとしています。現地で体験/体感したからこそ言えます。
まだまだやるべきこと、解決すべき問題はあります。これからも可能な限り福島に寄り添い、リアルな福島を体験し続け、これからの未来を一緒に考え、創っていければと考えています。
よりよき世界を目指して。
2013/01/10
ディジュリドゥ
鴫原哲也